Monologueひとりごと

「絶対可憐チルドレン」(椎名高志)

最近のサンデーで楽しみにしているのは「D-LIVE!!」(皆川亮二)と「結界師」(田辺イエロウ)、そして「絶対可憐チルドレン」(椎名高志)の三作です。最後の「絶対可憐チルドレン」は、超能力者と普通の人間が共存する近未来が舞台で、悪魔級の超能力を持った三人の子どもと彼女たちを管理することになった青年のコメディSF――えーと、説明がいまいちなので興味がある方はサンデーを立ち読みしてください。

作者・椎名高志の持ち味は「オチのキレ」だとわたしは思っています。持って生まれた関西人の血がそうさせるのかもしれませんが、オチをどうするか、言葉を替えると「いかに読者を驚かせるか」を中心に据えて作品を作っているように感じます。デビュー作の四コママンガや短編作品がいい例ですが、代表作の「GS美神極楽大作戦」もストーリーはあるものの基本的にはオチのある短編の集まりと見ていいでしょう。ちなみに、過去に読者に受けが悪かった連載作品(2作ほど)は、持ち味を生かす間もなく慌しく軌道修正を続けながら最終的に打ち切られてしまったようです――合掌。

実はその打ち切り後の長編連載となる「絶対可憐チルドレン」ですが、充電期間で何かを掴んだのか余裕を持って作品を描いている感じがします。序盤にいきなり「物語のラストは10年後」というしばりを読者に提示し、そんな大風呂敷を広げても大丈夫なのかと少し不安になりましたが、そんな心配はよそにいいテンポで話が進んでいます。舞台設定やキーマンも一通り出揃いました。あとは持ち味のキレを発揮した短い話を積み重ねながら、のんびりと少しずつストーリーが進んでいくと思います。今はボスキャラ級の敵役を主人公たちに頻繁に接触させて遊ぶ(いじる)のを楽しんでいるようですが、読者としても末永く楽しめることを期待しています。

おまけ: (From: cwwwのアンテナ)

2006/02/01 (水)