Monologue (2003年3月21日)

2003/03/21 (Fri.)

ちょうどいい機会ですので、「大使閣下の料理人」(西村ミツル・作、かわすみひろし・画)から得た、ちょっとした話をご紹介します。はっきり言って付け焼刃の「知ったかぶりな知識」ですので、間違いなどがありましたら、こっそりご指摘下さると幸いです。

「特命全権大使」(いわゆる大使)とは、外国に駐在し、その国との外交を担う上級外交官です。その名の通り、本国の代表としての権限を持ち、駐在国との友好な関係を維持し、在住の自国民を保護するのが彼らの任務です。言わば駐在国における「本国の顔」ですから、当然の事ながら、本国にとって重要な国には、より重要な人間が大使として任命される事になります。これが、恐らくどの国にもある「駐在国のポストランキング」なるものの実態です。

さてここで問題です。日本は霞ヶ関における大使ポストの「第一位」は、ご想像の通り「アメリカ」ですが、その次はどこだと思いますか?

答えは「国連」です。もちろん独立した国家ではありませんが、この世界最大の意思決定機関に日本代表として「国連大使」が派遣されています。(ひっかけ問題でごめんなさい。)

ちなみに、「イギリス」「中国」「ロシア」「フランス」といった国連常任理事国が、これらに続く重要な駐在国だと言われています。

要するに、日本は英・中・露・仏よりも国連を重要視していますが、それ以上にアメリカという一国家を評価しているという訳なのです。

……さて、ようやく本題ですが、結局、イラクとアメリカ・イギリスとの間の戦争は回避出来ませんでしたね。(否決されると分かっている)国連での決議を待たずして開戦してしまいました。また多くの予想通り、日本政府もこの行動を支持すると表明しました。――現在の日本は、北朝鮮問題で緊迫している微妙な時期ですので、同盟国を裏切る事は出来ないと判断したのでしょう。心情的に分からない訳でもありません。

しかし、よく考えてみて下さい。国連決議を待たずに決行したアメリカ・イギリスは言うまでもなく、彼らの行為を支持した国々(日本を含む)は、「国連の安保理は存在価値がない」と公に認めてしまったのです。

わたしの杞憂であって欲しいのですが、この事がきっかけとなり、それほど遠くない将来に、「国連による世界平和」の枠組みが崩壊するような気がしてなりません。もしそのような事態になった場合に、わたし達日本人は、その枠組みを壊した「共犯者」である事を認識しておく必要があると思います。

――と、堅苦しい話になってしまいましたが、もうこれくらいにしておいて、明日からはまた、たわいないマンガやゲームの話にしたいと思います。というか、させて下さい。どうかお願いします。どろどろした話は苦手なんです。これ以上は駄目です。夢だけ見させて下さい。汚い大人なんて嫌いです。うわーん。