風の通り道(2005/12/11)

 ジャケットのポケットに手を突っ込んで

 何を話そうかと考えながら

 だけど話しのきっかけが見つからずに

 言葉少なく並んで街を歩く

 駅前の雑踏を抜けるとき

 ふと君の腕が触れた

 慌ててごめんと呟く僕

 気づいていないような君の横顔

 凍てつくような北風が

 朽葉と砂塵を巻き上げながら

 ビルの谷間を忙しく駆けてゆく

 ようやく伝えたい言葉が見つかった

 だけどやっぱりそれが言えぬまま

 肩がぶつからないように気をつけながら

 僕らは並んで街を歩いた