真夜中に突然、はっと目が覚める。
また夢を見ていたらしい。
内容を思い出そうとしても記憶にない。
寝汗と動悸――よくない夢を見ていたみたいだけど、
不思議と落ち着いた気分。
最近、こんなことが続いている。
目が冴えて眠れないまま、
ぼんやりと考え事をしながら眠りを待つ。
夢にまつわる伝承を思い出す。
獏――想像上の動物で人の悪夢を食べると言われる。
もしかしたら獏が夢を食べてくれたのかもしれない。
だけどあまりに不味くてお腹を壊しているんじゃないだろうか。
そう思うと何だか申し訳なくて、でも少しおかしくて、
気付いたらそのまますとんと眠りに落ちていた。
どこかの獏にそっと感謝。