気だるくてどうしようもなくブルーな気分の夜は
昔のCDをかけながらぼんやり時間を過ごす
好きだったあの人から勧められたマイナーバンド
いくら探してもなかなか見つからなくて
自転車で中古屋を駆けずり回った夏の休日
あれから数えて十余年 今ではあの人もヒトノツマ
今頃になってふと気になってネットで検索してみた
過ぎ去った時間の隙間を埋めようとか
切ない想い出に浸りたいとか
そんな理由ではなくて ただなんとなく気になって
そう言いながらも懸命に探そうとするもう一人の自分
結局お目当てのCDは見つからず
残念だけど心の奥底でほっとしたような
少し居心地の悪い安堵感を感じながら 僕はブラウザを閉じた
幼い日 ケヤキの木に引っかかったあのボールは 今どこに?