昼下がりの公園。
穢れなき子ども達の歓声。
どこか遠くから聞こえる、調子外れの鉄琴が奏でる軽やかなメロディ。
木陰のベンチに腰掛け、コンビニで買った菓子パンとジュースでささやかな昼食をいそしむ。
ロボットの玩具を握り締めた少年が、笑顔で私の前を駆けて行く。
ああ、自分にもこんな時期があったんだなと、誰かが耳元で囁く。
遠い記憶のリフレイン。
――大人になったら何になりたいの?
――ひこうきのパイロット!
腕時計で時間を確かめる。
どうやら私の夢見の時間は終わったようだ。
今度は私が子ども達に新しい夢を与える番だ。
ささやかな使命感と共に、私は仕事へと戻る。
蒼天を見上げ、心の中で呟く。
まだ見ぬ神よ、世界中の子どもから夢を奪う事なかれ――。