夜中の蝉(1994/07/27)

 真夏の気怠い夜のこと

 街灯の光が辺りを照らし

 眩い太陽に誘われて

 蝉達は何時までも鳴き続ける

 真夜中までも続く悲痛な叫び


 その翌朝

 灼けたコンクリートの上には

 その短い命を使い果たし

 疲れ切った彼らの亡骸が

 仰向けになってひからびている