アニメ「千と千尋の神隠し」には多くのキャラクターが登場しますが、今回、彼らに対する評価を「通信簿」風に表現してみました。先に断っておきますが、書いてある内容はきつめです。その旨、ご了承下さった方のみ、閲覧をお願いします。
なお、「登場シーン」の番号は、DVD版の章立てに従っています。(全24シーン)
色々なものに恵まれませんでしたが、与えられた条件の中で、あなたなりに頑張った事は先生もよく知っています。お疲れ様でした。ただ、冒頭で「新しい学校に行くのが嫌だ」と言っていたあなたが、油屋での一件からどう変わったのか明確でなかったのはマイナスでした。ラストで、精神面で成長した自分を見せ付けるぐらいの度胸が欲しかったです。
【評価: よくできました 】
物語のプロローグとエピローグにおいて、自分達の役割を逸脱しない範囲で、個性的に演じる事が出来ました。なかなかよかったです。ただ、お母さん、あなたの知識は少しマニアックですので、もう少し普通の人を見習った方がよいでしょう。
【評価: よくできました 】
千尋さんに次ぐ重要な配役をもらったのに、それを十分に生かせていませんでしたね。湯バーバさんのお使いで忙しかった為でしょうか、しばしば姿を見せませんでしたが、その間に他の人にストーリーの主導権を握られてしまい、結果として作品としての本筋を見失った視聴者さんがたくさんいた事をよく反省して下さい。また「水の神」という設定は河の神さんとダブりますので、他の設定はなかったかどうか、二人でよく話し合って下さいね。
【評価: もっとがんばりましょう 】
「少し間が抜けた悪役」という損な役回りを、最後までふて腐れずに演じ切った所がよかったと思います。時折、「可愛らしさ」や「優しさ」を見せていましたが、あなたはこの作品で唯一の悪役なのですから、バランスを取る為に、とことん悪役に徹した方がよかったのかもしれません。
【評価: よくできました 】
最初の登場シーンで、湯バーバさんを上回る悪役振りを見せつけながら、「実はいい人」というあなたの設定は、視聴者さんの期待を裏切りましたが、先生はその事自体はそれほど問題がないと思っています。しかし、限られた時間の中で自分の設定を出し切る事が出来ず、見ている人に中途半端な謎を与え、作品のバランスを壊してしまったのは大失敗です。オタクさんやマニアさんにはいいネタ振りになりましたが、多くの人はあなたの存在に真の価値を見出す事は難しいでしょう。登場する意味があったかどうか、自分の役割は何だったのか、もう一度、考え直して下さい。
【評価: もっとがんばりましょう 】
「人間の欲の象徴」と「悪夢のカタルシス」という、監督さんの作品にとって重要な役柄をもらえて嬉しかった事は分かります。しかし、脇役である事を忘れた「暴挙」とも言えるあなたの行動は、準・主人公であるハクさんを蔑ろにし、ひいては第二の本筋とも言える「カオナシ・ストーリー」を発生させてしまった事で、視聴者さんを惑わしてしまったのです。先生はとても悲しく感じました。監督さんと一緒に深く反省して下さい。
【評価: もっとがんばりましょう 】
作品の舞台である「油屋」の日常を伝える為に、脇役として登場していましたが、少し顔を出し過ぎでしたね。カオナシさんにも言いましたが、ハクさんと接点がないあなた達が続けて登場した事で、物語の流れが変わってしまいました。それならばいっその事、「ハクさん本人」や「ハクさんの家族」くらいの思い切った設定にすべきだったのではないかと、先生は悔やまれてなりません。
【評価: がんばりましょう 】
湯バーバさんの「悪役」を引き立てる為の「裏切りキャラ」として、後半、頑張って顔を出していましたね。しかし、千尋さんとゼニーバさんの和解の場に、姿と性格を変え、存在感を消した上で出向く必要はなかったような気がします。また、湯バーバさんの数少ない協力者として、最後まで悪役のままでいてもよかったと、先生は思いました。
【評価: ふつうです 】
千尋さんのよき先輩・よき理解者として、また作中で唯一とも言える「常識人」として、よく頑張ってくれました。
【評価: よくできました 】
脇役なのにも関わらず、千尋のよき協力者として随所で活躍していましたね。台詞回しもなかなかです。決してお世辞ではなく、あなたのおかげで「千と千尋の神隠し」は救われました。個人的に助演男優賞をあげたいくらいです。
【評価: たいへんよくできました 】